アースデイ大学 設立趣旨

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(アースデイ大学・代表 生姜塚理恵)

 アースデイは、1970年、一人のアメリカの学生が「父の日や母の日があるのに、なぜ地球に感謝する日はないの?」と、ハイレベルな動きよりも先にアメリカの市民約2000万人が立ち上がり誕生しました。最初のテーマは、「貧困層の人々と天然資源の保護」でした。世界では、「自分たちのいのちは自分たちで守る」と、アメリカの市民が立ち上がった2年後、1972年に国際会議(ストックホルム会議)の場で、初めて環境問題について議論しました。以来、毎年4月22日を「Earth Day=地球に感謝する日」として、今では世界最大級の環境啓発運動へと拡大しました。
 日本では、1990年からアースデイ日本としてスタートしました。その後、2001年からアースデイ東京として「市民が作る日本最大級の地球フェスティバル」へと、多くの生活者・市民のみなさんを巻き込みながら成長してきました。

 私の疑問は、こうした流れのなかで特に、「1992年の地球サミットでは、世界各国のリーダーや代表者たちがブラジルのリオ・デ・ジャネイロに集結して熱い議論を交わした。この時、日本の市民活動も活発になり始めた。それにも関わらず、なぜ、「地球の限界」が見えてきたと言われるまでになったのか?」でした。そこで、私は、2009年に再び大学生になるのと同時に、アースデイ東京の実行委員にもなり研究を始めました。

 アメリカの市民約2000万人を動員するまでに影響を与えた考え、概念とは、1940年代にアルド・レオポルドが提唱した「land ethic=土地倫理」です。レオポルドが発表した当初、誰も見向きしなかったこの概念は、人間から大地を始めとした生きものたちを解放するための考え方です。日本においては、既に『古事記』『常陸国風土記』や、天台本覚論「草木国土悉皆成仏」の世界観の中に、日本文化を支えている、又は、作り出している叡智として、自然と人間の取り結び方は存在しています。

 研究を通して発見したことは、それぞれの地域が中心となった価値観念を見直すこと、即ち、先人たちが継承してきた叡智を掘り起こすということです。私は、日本の再発見は、明日の地球の新発見になると考えました。そこで、私は、通年で「解決策」を見出していく場として、アースデイ東京から新たな運動体「アースデイ大学」を2014年4月に設立しました。これからは、ご賛同していただきましたみなさんと共に、「アースデイ大学」を通して、これからの生き方・暮らし方について、先人たちの叡智を掘り起こしながら、新たな道筋を創っていければ幸いです。

<生姜塚 理恵 プロフィール>
アースデイ大学、BLUEBIRD 代表
東京都生まれ。2009年、2度目の大学生として清泉女子大学・地球市民学科に入学。大学2年の時、「地球上の大きなつながり=生物多様性」を中心テーマに据えた女性視点での活動体「BLUE BIRD」設立。2012年、BLUE BIRDオリジナルアクセサリー“Re:member”が第7回ロハスデザイン大賞2012「モノ部門」にて最終選考ノミネート。その後、人気セレクトショップでの取扱い決定、ソトコトオンラインショップにて販売もスタート。2013年の大学卒業時に、成績・卒業研究及び論文・BLUE BIRD活動を評価され、学長賞を受賞。2013年8月、月刊ソトコトの特集「社会を動かす女子」の一人として登場。2014年4月「アースデイ大学」設立。